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『クラッシュ』

先の第78回アカデミー賞にて、作品賞・脚本賞・編集賞の3部門を受賞した作品。

不思議な映画でした。

十数人に及ぶ人物が登場する群像劇ですが、感心するほどそれぞれの描き方に「偏り」がありません。従来、群像劇と呼ばれる物でも、その多くは主役格ないし狂言回し的な人物を中心にした上で他のキャラが配されていく作品が殆どですが、この作品にはそれが全く無く、どの人物に対しても等しい距離・目線で進んで行きます。

人種や職種、貧富の差や抱えている問題の大きさもバラバラな登場人物たちの人生が、次々と連鎖的にぶつかり(クラッシュ)あう1日半が描かれるのですが…。一つの出来事において被害者だった者が別の事件では加害者となっ(てしまっ)たり、あからさまな悪徳の持ち主が別の場面では美徳も披露してみせたり、と全ての人物が単純な二元論では語れない、善悪双方を内包したまさしく“人間”となっています。

上記のような描かれ方なので、下手なドキュメンタリーよりも撮った者の主観・主張が画面から除かれており、観た者それぞれの感想がそのままこの作品の評価となる、という映画に仕上がっています。本当に観る人毎に気になった点や感想は違うと思われますので、その意味で「不思議な映画」だなぁ、と感じた次第です。

ともすれば単調に陥りそうな脚本ながら、最後まで少しも退屈する事無く観る事ができ、ここにポール=ハギス監督の力量が伺われます。『リバー・ランズ・スルー・イット』『遠い空の向こうに』で好印象だったマーク=アイシャムの音楽もまた素晴らしかったです。

明確な「アメリカ人」というものの存在しないこの国の中でも、近年ではむしろ有色人種の方が多数を占めるようになっているロサンジェルスが舞台になっている事も、この作品に説得力を与えていると思います。この作品最大の登場人物であり功労者なのかも?

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» ■〔映画雑談Vol.16〕第78回アカデミー賞(3月5日開催)を楽しむ! [太陽がくれた季節]
―その2・「映画鑑賞券争奪((^^)・アカデミー賞6部門4者最終予想、および、結果」篇(※含、『クラッシュ(2004/ポール・ハギス)』鑑賞プチ・メモ) ⇒◆その1・「ノミネーション&一箇月前予想」篇はこちら! ―&お陰様で、ブログ開設一周年を迎えました!! ●2006年3月8日(水)=予想結果篇 ⇒◆受賞結果〔>1:Movie Walker>2:Yahoo!Movies〕 こんばんは、ダーリン/Oh-Wellです! さてさて、「第78回アカデミー賞」、すでに、受賞結果は皆さ... [続きを読む]

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