« レポート・コミティア76 | トップページ | 映画『ブロークン・フラワーズ』 »

映画『かもめ食堂』

「人はみんな、変わっていくものですから」

ヘルシンキに開店した日本料理の食堂「かもめ食堂」を訪れる人々が紡ぎ出す、さまざまな人間模様を描いた作品。

れっきとした日本映画でありながらオールフィンランドロケ・日本人キャストはメインの3人のみ・スタッフも半分は現地人、という珍しい体裁を取っています。

かもめ食堂(ruokara lokki)の店主は小林聡美扮するサチエ。フィンランド語も堪能でかの地の習慣にも馴染んでいる事から、既にある程度の期間は過ごしてきたのだろうという事が判ります。観る側としては、そこへ日本人観光客として登場する片桐はいり視点に移入する方が殆どとなるでしょう。

開店当初は全くお客が入りませんが、初のお客である日本かぶれ(というかオタク)の若者以降、少しずつ、それでいて多彩な顔ぶれがこの食堂を訪れる事になります。

何も起こらない日もあれば、ちょっとしたトラブルに見舞われる日、休みにして遊びに繰り出す日もあって…。そして要所要所で利いてくるのは素朴だけれども温かく、そして美味しいだろう料理の数々。こういう時、観ているだけの側は辛い(^^;

「美味しいものを飲み食いした時に幸せを感じる」というのは万人に共通する事だと思うので、ともすれば異文化間の差異に気を取られがちなこうした映画の中では特に効果的だなとあらためて思いました。実際、最初はやはりよそよそしかった日本と現地のスタッフ間でも、食事によって親睦・意思疎通が深まっていったそうですし。まさに「同じ釜の飯を~」というやつですね!

正直フィンランドという国の事は殆ど知らなかったので、最初は上記のようにちょっとした文化の違いに「へぇ」となっていたのですが、思いのほか変わらない部分も多く…。風景にしても、真夏でもどこか重そうな空は日本海側の港町と変わらない印象ですし、一般に欧州人に抱くイメージとしての強く濃い個性、といった物とは無縁な、住人の持つ素朴さ・奥ゆかしさもどこか日本と通ずるような気がして、次第に親近感が強まっていきました。

過度にドラマチックな事件は無いものの退屈する事も無く、優しい空気に心地良く浸っていられる映画でした。こうした空気感は、脚本も担当した荻上直子監督を始めとしてスタッフの多くが女性であるところが大きいのでしょう。なるほどなぁ、と感心しきりで帰途につきました。

 

余談。もう一人の日本人キャストがもたいまさこなのですが、そうなると片桐はいりじゃなくて室井滋だったら…などと思ってしまうのは、どう考えても世代ですな(^^;

余談その2。スナフキンとリトルミィが異父姉弟だという事を、この映画で初めて知りました。ビックリ。

« レポート・コミティア76 | トップページ | 映画『ブロークン・フラワーズ』 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 映画『かもめ食堂』:

« レポート・コミティア76 | トップページ | 映画『ブロークン・フラワーズ』 »

2019年8月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

最近のトラックバック

無料ブログはココログ