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映画『日本沈没』

「…でもね、もう何年も巣を作らないのよ」

あまりにも有名な小松左京作品の、33年ぶりのリメイク。

原作小説や旧映画版・TV版とで、もともと構成やオチのつけ方に差異はあったものの、さすがに3分の1世紀も経た今回は、更に大きな改変が加えられています。こうした点は常に賛否を呼ぶものですし、私も事前の興行の打ち方からあまり過剰な期待は抱いていませんでした(^^;

ただ、物語が始まって早々に日本沈没の危機が予告され、(政治家達の思惑が交錯するとはいえ)対策も開始されるという、これまでのVer.には無い展開の速さにはなかなか興味を引かれました。これで「沈没・災害シーンの迫力描写に尺が割かれるのかッ?」と注目したのですが…。

予想はしていましたが、そこはやはりほぼ草彅・柴咲扮する小野寺・玲子に当てられていました(^^; 冒頭で2人が助けた女の子や下町の馴染みの面々等、市井の視点を取り入れて絡ませる事で、より観る者にとって感情移入しやすく…という手は良いかと思いますが、何といいますかこう、いちいち浅かったです。

いやにトントン拍子に親密になるかと思えば、玲子は「昔震災で愛する家族を亡くしたからもう誰も愛さない」と使い古された台詞で小野寺を拒絶、それが土壇場で想いを認めて「抱いて」と言ったら今度は小野寺が「生き残ってロンドンで再会したら」と断るし(<明日には確実に死ぬというのに!)、今回メインである筈のこの流れは正直もう何がなんだかという感じでした。

日本が沈むか助かるかの文字通り瀬戸際、表現は朝チュン程度でもいいからラブシーンに入る方がまだ説得力あったと思うのですよ。旧作では凄いビジュアルを伴って存在していましたが(笑)!

玲子がハイパーレスキューという設定も結局生かしきれていなかったように思います。ずっと強く描写しておいて見せ場で…という事にもならなかったですし(しかも途中ずっと怪我で休職って…)。

政治家の面々も軽薄で物騒な事を平気で言う連中ばかりでおかしいですし、人が非常時にエゴ丸出しにすればそれがリアルなのか、と…。もともと原作からして「かかる国難に際して日本人は如何に行動すべきか?」というものだったわけですし。一地方での被災物語でなく「日本沈没」である必然性、が希薄になっていたようにも感じました。

キャスト面で、全体的に役者力とでも言うべき点でも旧作には及ばないなぁ、というのも大きかったですね。時代の違いを差し引いても相手が小林桂樹丹波哲郎藤岡弘(、)…ではさすがに歴然。

燕の巣のエピソードや、「この地方には、まだ被害はない」のテロップ等、旧作へのオマージュともいえる部分にはニヤリとさせられたものの、つまるところ旧作が良過ぎた、というのが感想のほぼ全て、でしょうか(^^;

 

技術は間違いなく上がってる筈なのに、全体的に特撮部分に関しても旧作の方がこう、迫るものがあったというのが何とも残念…。

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コメント

 日記そのものの内容には関係ないんですが、「朝チュン」って一般人には通用しない用語ですよね?(´∀`)

>はづきち君
 
 ッーヵここを一般人は見に来ませんからッ(ぉ!!
 いえいえ…。
 上手い表現が思い浮かばなかったというだけですナ。
 まぁ雰囲気で伝わるかなーっと。

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